【名古屋市】対策しない店の公表検討

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河村市長、対策しない店の公表検討　名古屋市で感染最多

名古屋市は29日、新型コロナウイルスの新規感染者が93人確認されたと発表した。1日あたりの感染者数は過去最多。このうち感染経路不明は61人で、市内の繁華街で発生した三つのクラスター（感染者集団）関連は3人だった。市の浅井清文医監は、クラスターと関連不明の感染が急増している現状を「市内で感染爆発（オーバーシュート）が起きている。その認識で対応している」と分析した。

河村たかし市長は同日夕に記者会見し、「市民の不安を和らげたい」と、PCR検査の拡充や病床の確保のほか、若年層が繁華街で密集しないよう啓発に取り組む方針を示した。

　市によると、この日のPCR検査数は計155件で、検体の採取は「帰国者・接触者外来」のほか、かかりつけ医の紹介で受診するドライブスルー施設（PCR検査所）、民間医療機関で実施している。河村市長は、検体採取施設と採取件数を拡充すると表明した一方、「誰でも彼でも受けられるわけではない」と、濃厚接触者や医師の紹介などの条件を示した。

　また河村市長は、自宅待機中の感染者とは別に、肺炎などで入院が必要にもかかわらず入院できていない感染者が28日時点で16人いることを明らかにし、「ベッドが逼迫（ひっぱく）している。病院に電話して確保に努める」と述べた。

　市中での感染防止対策について、緊急事態宣言時のような観光施設の閉鎖や飲食店の自粛要請は「全体を冷え込ませてしまう」として、実施しない考えを示した。一方、28日夜に岐阜県の古田肇知事から「（岐阜から名古屋に通う）大学生の感染対策をしっかりやってくれ」などと電話で依頼を受けたことを明かし、「どんちゃん騒ぎはやめてちょうと、名古屋市立大学の学長には言った。他の大学にも呼びかける」と話した。今後、国の指針で示された感染防止対策を講じない店舗については、店舗名の公表も検討するという。（佐々木洋輔）

2020/7/29 21:03