【COVID-19】韓国、「とにかく分かりません」を貫くK防疫【朝鮮日報】

★統一まで分からない
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020121180105
【コラム】「とにかく分かりません」を貫くK防疫

　11月27日、行き付けのブランチ・カフェに立ち寄った。従業員が温かいコーヒーの入ったタンブラーを持ってきた。しかし、この瞬間、このカフェは常連客のために法を犯したことになる。防疫当局が「社会的距離の確保を第2段階」に格上げしたことで、首都圏のカフェではブランチは販売できても「コーヒー」は販売できないようにしたためだ。ところが、同カフェの向かいにあるファストフード店ではコーヒーとコーラを堂々と販売していた。同従業員は「ブランチはいいがコーヒーは駄目という指針が理解できないばかりか、コーヒーの販売もカフェでは禁止し、ファストフード店では販売できるというのも全く理解できない」とし「市庁や区庁にどんな基準で運営しているのか聞いてみたものの、担当者たちもよく理解していなかった」といら立ちを隠せない様子だ。

　まずは、ソウル市に直接電話をかけてみた。市民健康局と感染症管理課の担当者から「詳しい指針は関連部署が把握しているため、『食品政策課』に問い合わせてほしい」と言われた。食品政策課に電話し「ブランチ・カフェやハンバーガー店のように、カフェでもサンドイッチなどの食事を販売した場合、店内で食事を取ることができるのか」と聞いてみた。

すると、担当者は「カフェからの問い合わせが多く、詳細事項を検討中」とし「現場で混乱がある部分は今後、話し合いを通じて補完していく」と説明した。

　そんな中、12月1日にブランチ・カフェから1通のメールが届いた。「店内で食事を取るという条件で、コーヒーなど飲み物が飲めるようになった」という吉報だった。その間、問い合わせと抗議が殺到したことで、ソウル市と政府が「食事の際は店内で飲食可能」という新しい防疫指針を慌てて発表したのだ。しかし、コーヒーのみを注文する場合は店内で飲むことができず、コーヒーと食事を一緒に取る条件でコーヒーの飲用を認めるという、相変わらず不思議な指針だった。

　ジムに対する規制も事情は変わらない。「キックボクシングは許可せず、ボクシングは許可する理由は何なのか」という質問に対し、ソウル市は「集合禁止対象の選定基準については防疫当局に問い合わせてほしい」と言ってきた。そこで、疾病管理庁中央防疫対策本部に問い合わせてみたところ、中央事故収拾本部（中収本）に問い合わせるよう言われた。

中収本の生活防疫チームの担当者は「文化体育観光部（文体部、部は省に相当）が定めた基準に従っただけ」とし、文体部の関係者は「キックボクシングは中収本が追加したもの」と再び言葉を覆してきた。キックボクシングのジムは、苦肉策としてキックボクシングの代わりにボクシングとムエタイを教えるという名目で受講生たちの流出を食い止めている。

　記者は釈明を聞かなくても構わないが、毎日の生計が掛かっている自営業者らは日々気をもんでいる。不法と合法があいまいな境界線で区分されたことで、ハラハラしながら商売を続けている。売り上げが急落したことで、配達営業を開始した個人経営のカフェのオーナーは、感謝の一筆メモやサービスのお菓子を一緒に届けつつ、なんとか持ちこたえている状況だ。

　政府は、コロナ拡散の原因を一つにまとめて解消する「Kピンセット防疫」で日常を守ると宣伝している。しかし、責任の主体もなく、現場で混乱が加重している「Kピンセット防疫」は、自営業者を崖っぷちに追い込んでいる。誰も責任を負おうとしない防疫当局の姿を見て、果たしてK防疫がきちんと作動しているのか疑問に思った。

ホ・ユジン記者

朝鮮日報／朝鮮日報日本語版

2020/12/13 08:20