【島根】丸山知事が聖火リレーの中止検討「現状では五輪開催に反対」　政府や都のコロナ対応強化促す

2/17(水) 11:13配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c12f8718c4fd6a8c711df14f44a10d64870e993

　島根県の丸山達也知事は17日、松江市内で開かれた臨時の東京オリンピック聖火リレー県実行委員会で、県内の聖火リレーの中止を検討していると表明した。丸山知事は「現状では五輪開催に反対。聖火リレーにも県としては協力できない」と述べた。国や東京都に対し、感染経路の調査など新型コロナウイルス対策を強化させる狙いがある。県は1カ月ほど状況を見て、リレー実施の可否を判断する方針。

　県内の聖火リレーは5月15日に津和野町をスタートし、同16日に松江市へ至る行程で14市町村を約170人が走る予定。丸山知事は臨時実行委後の記者会見で「都は感染拡大を招きやすく、保健所機能が一部停止している。世界中から多くの人を受け入れる五輪開催のリスクは非常に高い」と強調した。

　丸山知事はこれまで、都が新型コロナ感染者の濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる「積極的疫学調査」を縮小したことに加え、厚生労働省が同調査に積極的な姿勢を見せないと問題視し、「政府の認識は危機的。都は（五輪を）開く資格がない」と強く批判。政府や都の対応不足により、感染者が少ない島根の飲食や宿泊業界も大打撃を受けているにもかかわらず、緊急事態宣言地域よりも国の支援が手薄なことを「不公平だ」と訴えてきた。

　県によると、聖火リレーは県がランナーやルートを決める事務局を担うと共に、交通誘導や雑踏警備などの費用約7200万円を予算化しており、県の判断で事実上ストップできる。また、県と大会組織委員会は協定を結んでいるが、車両の準備などは組織委が担う規定にもかかわらず、県側に離島分の手配や費用負担が求められているなどとし、担当課は「協定解除もあり得る」としている。

　丸山知事は福岡県広川町出身で1992年に自治省（現総務省）入省。2013～15年度に島根県に出向し政策企画局長などを務めた。19年4月、保守分裂の知事選で初当選し、現在1期目。【目野創】