【沖縄】「病床が足りない」占有率90％以上　医療現場の悲鳴

県内で新型コロナウイルスの新規感染者が３日連続で１００人を超え、感染拡大に歯止めがかからない。治療に当たる医療関係者からは「感染者数が急速に増加し、本当に治療が必要な人への対応が遅れている」と危機感を募らせる。９日時点のコロナ病床占有率は９１・２％、非コロナ病床占有率も本島９４・２％と高止まりを続けている。

本島南部の急性期病院の関係者は「コロナ病床を増やしても、すぐ埋まってしまう。コロナ病床、非コロナ病床ともキャパオーバーだ」と悲鳴を上げる。

通常は入院患者７人に対し看護師１人の配置だが、コロナ病床は４人に１人ほどが必要。県は最大限の病床確保を求めるが「ベッドは何とか確保できても看護師が足りない」と嘆く。

県立中部病院の横山周平医師は「入院や受診が必要と判断されるのが、夕方過ぎになるのが日常となっている。感染判明から医療を受けられるまでの時間が長くなっており、このままでは手遅れとなる人が増える」と話す。

県内で重症者や死亡者を出さないため「高齢者や重症化リスクを持つ人だけでなく、県民全体で感染者を減らすよう、基本的な感染対策を続けていくことだ」と改めて強調した。

2021年4月10日 12:55
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/735751

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沖縄、感染増の一因に｢変異株｣　N501Y型は1週間で5倍に　国内初の米国型も

沖縄県は９日、県内の新型コロナウイルス陽性者１人から、米カリフォルニア州で主に検出される新型コロナウイルス変異株を検出したと発表した。検疫を除き国内の確認は初めて。感染力の強いＮ５０１Ｙ変異の感染も計２６人判明し、陽性割合も急増。県の糸数公医療技監は感染増加の一因に「変異株の存在がある」との見方を示した。県は同日、新たに１０歳未満～８０代の男女１３１人の新型コロナ感染を発表。３日連続で１００人を超えるのは初めて。

■休業要請も提案

県の新型コロナ専門家会議は９日会合を開き、県内の感染状況について「非常に危機的な状況」との認識で一致。「強い対策を打つべき時期」とし、一部地域では飲食店などへの休業要請を視野に入れた対策が必要だとの提案があった。

県は週１度、変異株が確認された陽性者と接触したなど、Ｎ５０１Ｙ感染疑いのある人の検体を中心に検査している。８日に過去１週間の８３人を検査し、２４・１％に当たる２０人にＮ５０１Ｙ変異株を検出した。

３月２８日～４月７日に陽性となった１０歳未満～５０代の男女という。先週は９４人中５人（５％）で、１週間で５倍近くに急増した。県外の民間検査会社でも県内の対象２０人中６人からＮ５０１Ｙ変異が検出され、糸数医療技監は「市中感染に近づいている」とした。

■米軍と接点なし

米国型の変異株は、国立感染症研究所（東京）のゲノム解析で判明。県は世界保健機関（ＷＨＯ）が「注目すべき変異株」の分類にとどめているとして、感染者の性別や年代を非公表とした。県は「感染者は渡航歴のある人や米軍関係との接点はない」としている。

県内では９日時点で米国型１人のほか、英国型と確定した２人を含むＮ５０１Ｙ変異が３４人、ワクチンの効果を低下させる可能性のあるＥ４８４Ｋ変異が２７人検出された。

９日発表の新規感染１３１人のうち、重症化しやすい７０代以上は１３人。地域別では那覇市が３１人、沖縄市が２７人。感染経路が判明したのは４１人で内訳は家族内１７人、職場１０人、友人・知人は７人、飲食関係５人など。直近１週間の陽性者数は７８７人で過去最多を３日連続で更新した。

米軍関係は新たに１０人の新規感染が確認された。

2021年4月10日 04:50
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/735780

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