東條ひで機｢米英と戦争しても勝てる！｣ その根拠は？ ひで｢勝てるからです｣

軍令部は、南方資源地帯を押さえて、アメリカが参戦して来たら、最終的には日本近海で米太平洋艦隊を迎え撃つという構想を持っていましたが、
20倍もの鉄鋼生産力を誇るアメリカとの長期戦は現実的ではありません。

　だからこそ山本五十六が短期戦で早期和平を期して、ハワイを叩くという作戦を構想するのですが、
それにしても連合艦隊はハワイまで遠征することを前提に作られていない。
かといって、それをカバーする長航続の航空や輸送船をたくさん作ろうとしても間に合わない。
どう考えてもギリギリで、対米戦争は危険極まりないものでした。しかし、政治はそんな状況を半ば知りつつ、開戦してしまうのです。

　ーーその背景には何があるのでしょうか。

　根拠のない楽観でしょう。
大日本帝国が滅びるわけがない、帝国海軍が滅びるわけがない。
関東軍が負けるわけがない、というまったく根拠のない前提が、多くの政治家がビジョンを持てなかった背景にあったのだと思います。

　これは高木惣吉海軍少将が批判していたことですが、嶋田繁太郎海軍大臣や永野修身軍令部総長は、戦争中、軍需産業に視察に出かけては、闇物資をかき集めてしつらえた宴会に興じていたそうです。

　大国のアメリカと戦争しているのにトップたちが接待で浮かれていたのは、そもそも危機感すらなかったということでしょう。

――そうした楽観は今の政治でも続いているように思います。法体系を変えたり、エビデンスを集める検査体制を整備したり、また医療体制を見直すような面倒なことをしなくてもコロナは乗り越えられると考えていた。
五輪を開いても感染は拡大しないし、万一拡大してもなんとかなるさ。こうしてビジョンのないリーダーが、保健所や医療機関に無理難題を押し付けている。

それでも日本の現場はリーダーの指令に忠実です。
例えば、約56億円を地面師に奪われた積水ハウスでは、現場のスタッフが対峙する地主が、あまりにも怪しい行動をとっているのに取引をやめなかった。
実は現場は詐欺師だと知っていたという証言もあったほどですが、それでも契約に突き進みました。その大きな理由は、「社長案件だから」というものでした。

　現場が根拠なくリーダーに付き従う姿勢は、当時から変わりがありません。

　日本の参謀は明治期にドイツの軍人からその悪癖を指摘されていました。

　日本陸軍が作戦戦術を学ぶために招待したドイツの軍人メッケルは、「日本の軍人は根拠のない楽観を持っている」と苦言を残しました。

例えば、目標の拠点を攻撃するために、山の上に大砲を据えたい。ところがその山は峻険で、どう考えても大砲を山頂に運んでいくことなどできない。

　それでも、「あの山を占拠せよ」と命令が下ってしまうことがある。まさにやってやれないことはないという精神論が先行し、楽観的に作戦が立案されてしまうのです。

　現場の人間が組織に忠誠を誓っている背景も、根拠なき楽観があるかもしれません。なぜなら自分の属する組織が「潰れるかもしれない」と考えると、忠誠心が保てないからです。
しかし逆にその楽観的な忠誠心が、国家存亡の危機を招いてしまうような戦争を起こしてしまったと考えればどう感じられるでしょうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d8b61673cb47ce87734374ff677815be5469f2bf?page=3

あたまぽん。

をれらもちっと、敬意表しようよ。大塚英志さんも

戦争にならないよう動いたよ。あまりそんなひといないよ。逆のひとは居たけど。