mRNAワクチン２回接種でADE「感染増強」　ワクチン未接種より感染する事態　カナダ報告

influenzer
@influenzer3
●ワクチン2回接種ではオミクロン株に対して｢マイナスのVE｣というカナダからの報告(プレプリント)
→｢マイナスのVE｣とはすなわち、ワクチン接種者が未接種者よりも感染率が高いという事を意味します。
ワクチン開発当時には重要な懸念事項だった｢ADE現象が起こっている可能性｣を示唆しています。

ワクチン接種者血清を用いたin vitroでの中和実験でADEが再現できるかについては、すぐにでも検討できそうです。
すぐにやって欲しいです。
今後のワクチン戦略(デザイン)にも関わる重大な問題でしょう。

・ワクチン接種完了率は非常に高い(12月中旬時点で12歳以上の88%)にも関わらず、SARS-CoV-2感染者の発生率は増加してきており、ワクチン2回接種者に限定しても著明な増加傾向にある。

・今回、2021年11月22日から12月19日の期間におけるオミクロン株あるいはデルタ株感染例(症状や重症度を問わず)を対象とし、リンクされた州のデータにtest-negative designを適用してワクチンの有効性(VE)の推定を行った。

対象者にはワクチンをbooster接種(primary seriesでmRNAワクチンを1回以上)した例も含めた。
・多変量ロジスティック回帰を用いて、最終接種(2回目 or 3回目)以降のワクチンの有効性を推定した。

・ワクチン2回接種後に、ワクチンのデルタ株感染に対する有効性は経時的な減弱が見られた(7-59日後：84％(81-86)、240日後以上：71％(66-75)）と時間の経過とともに着実に低下したが、booster接種後7日以降には93%(92-94)まで回復した。

一方、2回接種例でもオミクロン株感染に対する有効性はどの時点でも見られなかった。booster接種後7日以降の有効性は37%(19-50%)だった。
・2回接種者は未接種の人に比べてオミクロン株感染に対するVEがマイナスの値だった。

・これらの結果は、ファイザーワクチン2回接種やmRNAワクチンの組み合わせで検討した場合でも同様であった。

booster接種後7日以降に有意な防御効果が確認できますが、40-60%程度です。
注目すべきは2回接種後120日以降は、一貫してオミクロン株感染に対する有意にマイナスのVEが見られている事です。
一方で、デルタ株に対しては有効性は維持されています。

・ファイザー、モデルナともに接種後すぐに有意な防御効果は消失。
接種後90日以降には有意にマイナスのVEが認められています。