【長崎】執拗な叱責、侮辱…パワハラか　長崎市課長　部下3人心身不調、退職も　市はパワハラと認定せず口頭注意

※2023/03/10
長崎新聞

　長崎市土木部の男性課長が部下への執拗（しつよう）な叱責（しっせき）や侮辱などを日常的に繰り返し、職員3人が精神的に不調を来して休み、うち1人は退職していたことが9日、関係者への取材で分かった。休んだ職員の疾患名を職場で公言していたことも確認された。パワハラ行為に当たる可能性が高いが、市はパワハラと認定せず口頭注意などにとどめている。
　課長は2019年4月から現職。関係者によると、20年にかけて職員1人を頻繁に叱責するなどした。20年秋ごろ、この職員が休むと、別の職員に威圧的な発言を繰り返した。2人目も21年半ばから休職し、のちに退職。さらに他の職員1人にも侮辱的な態度を取るなどし、3人目は21年秋から出勤できなくなった。休んだ職員2人は復職後、別の部署に異動した。
　具体的には、課長への業務報告や会議などの際に▽「能力が低い」「しゃべるな」などの暴言で精神的に攻撃する▽言葉に詰まった職員を大声で問い詰める▽職員の発言を途中で遮ったり無視したりする－などの行為が、他の職員たちがいる前で繰り返されていたとみられる。
　課長はさらに、病休した職員の精神疾患の診断名を課内で公言し、「仮病」「ずる休み」といった趣旨の発言をしたとされる。職員の体形をやゆする発言もあったという。
　こうした課長の行為について相談が寄せられ、市は21年の夏から秋にかけて計3回、総務部長らが課長に対し口頭で注意指導や警告をした。「職員3人が休んだことと課長の言動には関係性がある」と判断したものの、懲戒やけん責の処分はしなかった。

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