独身男性「共働き希望。でも家事は女性が責任持つべきだよね」

本稿では正規雇用共働き希望の独身男性における稼得・家庭責任意識のあり方とその関係性を検討し、性別分業の解消への変化がみられるか、先行研究で指摘されてきた相互関係がみられるかを明らかにすることを目的とした。
その結果、従来の研究に対して次のことが言える。

柳田愛美「独身男性の稼得責任意識と家庭責任意識　―正規雇用共働き希望の独身男性へのインタビュー調査から―」『家族関係学』(43巻　2024年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfr/43/0/43_51/_article/-char/ja

第二に、家庭責任意識は概して低いことが明らかになった。「結婚相手中心」と想定されるケースが大半を占める。彼らは家事を全くしないという想定はしていないため、単に夫婦間で家事負担をどうしたいかを尋ねる場合では「分担する」と回答する可能性がある。しかし、彼らの想定する家事労働の配分プロセスについて検討した結果、大半は最終的な家庭責任を女性が負うことを示していた。つまり、家庭責任に関して深層的には伝統的な意識を持っていることが明らかになった。