北原みのり「ポルノ視聴で男性は性加害傾向が強くなり、女性は被虐的指向になる。ポルノは表現か、暴力の記録か日本は考えるべき」

その訴えの背後には、女性たちの怒りがある。フランスでは、2016年に買春者を処罰する法律を成立させた。その法律に関わった議員が中心になって2023年にはポルノに対する調査が行われたのだ。ポルノハブなどの国際的なポルノサイトのタイトルのキーワード分析を行い、「どのようなコンテンツがあるのか」を調査した。その結果はあまりにも衝撃だったという。首を絞めるなどの暴力的な性行為が120万本以上あり、ペドフィリア（小児性愛）的なタグも120万本以上あり、「ダディ（パパ）」というタグだけで13万本を超えたという。

今、毎日何十億の人がポルノを視聴している。特に日本はポルノ視聴者が多く、アメリカに次いで2番目という報告もあった。1日に何度も、何時間もポルノを観る人もいる。影山氏がどういう状況だったのかはわからないが、機上の十数時間ですら我慢できなかったことを思うと、日常の行為なのだろう。そして児童ポルノを堂々と機内の席で観られるということは、ポルノのある生活が「当たり前」になってしまっていたのだろう。でもそれは、影山氏だけ、の話だろうか。