訪問介護ヘルパー「退職を考えた」27%…理由「夏の酷暑」 7割超熱中症症状を訴えた過酷な労働環境とは

訪問介護ヘルパー「退職を考えた」27％…理由は「夏の酷暑」　7割超が熱中症症状を訴えた過酷な労働環境とは
今夏の記録的な暑さで、高齢者や障がい者の在宅介護を支える訪問介護ヘルパーの76.8％が頭痛、めまいなど熱中症の症状を経験していたことが、関係団体のアンケートで明らかになった。水分補給などの暑さ対策の多くは自助努力で、退職を考えた人が27.8％いることも判明。「3割も辞めたら在宅介護は崩壊する」と団体側は危機感を強め、処遇改善を求めて国に要望書を提出した。（山本哲正）
◆気温40℃、汗だくの入浴介護で意識がもうろうとして…
8月上旬、埼玉県新座市の住宅で、ヘルパーの西本由美子さん（50）は、同僚とともに身体障害のある50代の女性を抱え、湯船に入れた。作業中に意識が朦朧（もうろう）とし、危なかった。気温40度近い日。浴室にエアコンはない。女性の希望で換気扇は回せず、汗だくだった。
西本さんは訪問介護事業所の管理者でもある。「訪問先で熱中症になり動けなくなったヘルパーを迎えに行くこともあった。利用者だけでなくヘルパーも助ける夏だった」と振り返る。
◆炎天下の移動「のどが焼けて息もできなかった」
炎天下の移動もヘルパーを追い詰める。「移動中、のどが焼けて息もできなかった。命の危機を感じた」と7…(以下有料版で，残り 1003文字)

東京新聞　2025年11月30日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/452640