【電通】高橋まつりさん過労自殺から明日で10年

高橋まつりさん過労死の反省はどこに行った？
長時間労働を助長…遺族が懸念する規制緩和の中身

大手広告会社「電通」の新入社員だった高橋まつりさん＝当時（24）＝の過労自殺から12月25日で10年を迎える。
働き方改革から一転、政府は労働時間の規制緩和の検討中だ。長時間労働を促進することの問題点を過労死遺族の声を交えながら検証する。

◆過労死等に関する精神障害の請求件数は10年で2.5倍に

雨が降りしきる中、喪服姿の遺族ら約500人が、10月22日の慰霊式会場を埋め尽くした。
仕事が原因で亡くなった人を弔う東京都八王子市の「高尾みころも霊堂」。
今年は、労働災害で命を落とした全国2437人を迎えた。

「また過労死が増えますよ」。会場では、前日発足したばかりの高市早苗政権が上野賢一郎厚生労働相に検討を指示した「労働時間規制の緩和」に対する懸念が飛んでいた。
その中に、愛娘（まなむすめ）の長女・まつりさんを10年前に失った高橋幸美さん（62）の姿も。幸美さんは「過労死防止が逆戻りしてしまう」と訴えた。

まつりさんの死を契機に、長時間労働の上限規制など「働き方改革」が始まった。ただ、その実現は道半ばだ。
労災の過労死等に関する精神障害の請求件数は、まつりさんが亡くなった2015年度で1515件だったが、2024年度は3780件と2.5倍近くに増加。
労災の支給決定件数も1055件と6年連続で過去最多を更新した。

高橋まつりさん過労死の反省はどこに行った？　長時間労働を助長…遺族が懸念する規制緩和の中身：東京新聞デジタル

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