圧倒的人気を誇るポール・スミスのライセンス契約を切られ破産

「ポール・スミス」契約終了が決定打…スタイル　ブランド事業成長一服で倒産
12/27(土) 16:10配信

「ポール・スミス」（以下PS）など複数のライセンスブランドビジネスを手がけてきたスタイルが、9月18日に破産手続き開始決定を受けた。同社は、2004年6月より営業活動を始め、PSを主力としたライセンスブランドのバッグや財布、革小物などの企画・販売を手がけていた。ジャスダック上場（当時）のインデックスの子会社だったが、同社が13年に民事再生法の適用を申請し、資本関係を解消。その後、当時の売り上げの6割を占めたPSのライセンサーである大手商社の子会社が約34％の株式を保有し、18年3月期（決算期変更）の年売上高は約90億500万円を計上していた。

しかし、PS以外のライセンスブランドは赤字でPSで収益を補っており、原材料や人件費の高騰、ブランド自体の成長の一服、コロナ禍により21年3月期は赤字に転落。さらに、ライセンサーの監査でファミリーセールの商品廉価販売が指摘され、結果的に過去8年分となる約8000万円分のロイヤルティーの追徴を支払うこととなり、23年3月期では大幅減益となった。

PSのロンドン本社のブランド方針変更により、財布の新作と旧作の入れ替えが生じ、販売価格も引き上げられたため、顧客離れにつながり、24年3月期に黒字だったPS事業でも初めて赤字に転落。ライセンサーの子会社が保有する株式全てを自己株式として買い戻す事態にもなっていた。決定打となったのは、ライセンス契約が更新とならずに、 終了となったことだ。百貨店や商業施設内の平場からの撤退による売り上げ減少はかなりの痛手だったようだ。

過去には、三陽商会が、英国ブランド・バーバリーとのライセンス契約終了を見越して準備を進めていたが、契約終了後は業績が落ち込んだ。同社は再建に成功し回復したが、中小企業となると、そうもいかない。圧倒的に知名度が確立した他社のブランドに頼り切っていた同社が、もう一度立ち上がることはできなかった。（帝国データバンク情報統括部）

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「ポール・スミス」（以下PS）など複数のライセンスブランドビジネスを手がけてきたスタイルが、9月18日に破産手続き開始決定を受けた。同社は、2004年6月より営業活動を始め、PSを主力としたライセン

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