【日本市民】嫌韓のせいでコロナの対応に失敗･･･今の日本には『第2の敗戦』が必要

┃＜8.15特集インタビュー（2）＞
┃韓国のニュースを日本に伝える西田尚史（ニシダ・タカシ）

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▲ 西田尚史さん（右）がスタジオで、在日韓国人の共演者である金床憲（キム・サンホン）さんとともに、『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース』を撮影している様子。
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「日本人は韓国で起きていることをあまり知らない。日本政府やメディアの言葉だけを信じ、それを事実として受け入れます。それでは誤解を生んで、韓日関係が悪化する原因になります」

韓日関係が戦後最悪の状況に突き進んでいる今日この頃、韓国放送のニュースを日本社会に伝えるために努めている日本人がいる。

YouTube（ユチュブ）で、『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース（ http://bitly.kr/eBbsTpyELig ）』のチャンネルを運営する、西田尚史（ニシダ・タカシ）さんがその主人公だ。

韓国に有利な話をすれば、一気に日本の極右に攻撃されがちな状況の中、彼がこのように汚れ役を買って出る理由は何なのか。彼の答えは簡単だった。「日本のために」である。「政府が何もしなければ、韓国人のように国民が乗り出して要求し、闘争しなければならないが、日本人はとても従順的だ」という彼は、「気が進まなくても、こういうことは韓国を見習うべきだ」と強調した。そして、「日本のためにも、これ以上の嫌韓はいけないということを伝えたかった」と述べた。

彼は、日本人には『第2の敗戦』が必要であるとし、「民主主義を自ら捨てたため、先進国という評価も世界的な信頼も、オリンピックも全て失くしたという、そのような衝撃が必要だ」と力説した。

彼は、ますます酷くなっている日本の嫌韓の原因についても、明快に説明した。

「金持ちの子息に生まれて努力をしておらず、そのためスペックのない人間が今の日本の素顔です。 それを認める勇気がなく、“ウチは元々金持ち” と自慢ばかりする。そのような人間は、貧しい家庭に生まれたが努力をしてスペックを築いた人間を嫌がります。その人間が韓国です。これがまさに嫌韓の理由です」

彼は、強制徴用判決によって韓日関係が悪化していることについて、「韓国が譲歩する必要はない」とし、コロナ19の対処で国際的信頼が高くなった韓国の方が有利であると述べた。

将来、韓国にあるような市民メディアを作りたいという西田さんは、「日本の恥ずかしい現実を世界各国に伝えることが、最も日本国民を覚醒させる方法だ」と話した。以下は西田さんとの一問一答である。

ソース：オーマイニュース（韓国語）
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002666244&

>>2につづく

┃「日本人は韓国をあまり知らない･･･韓日関係悪化の原因」

（写真）

▲ 『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース』が、安倍謝罪像設置の意図について説明する韓国のテレビ報道を伝えている。
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ー まずは自己紹介を手短にお願いします。

「私は大阪に近い、兵庫県の尼崎市で生まれ育ちました。人口50万人ほどの都市です。貧困層の労働者が多い都市です。特に私が住む地域は、在日韓国・朝鮮人の人口割合が70%に達する地域でした。 今は首都圏に住んでいます」

ー 韓国語がとても上手ですね。

「子どもの頃、近所に住む在日韓国人からハングルを学び、大学に入学した後も韓国人の友人から韓国語を学びました。2015年には韓国に3か月間、全南（チョンナム）大学校の語学堂に通っていました」

ー 『サラム西田』というニックネームを使ってますが、どういう意味ですか？。

「韓国語の “サラム（人）” と、アラビア語で平和を意味する “サラム” にちなんで作りました。私は市民運動集会でこのニックネームを掲げ、ギターを弾きながら歌います。そのせいか、市民運動をしている人たちの中には、私の本名よりもニックネームを知っている人のほうが多いと思う。今はYouTubeの仕事が忙しかったり、コロナ19のせいで歌えなくて本当に残念です」

ー 今運営している『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース』のYouTubeチャンネルは、なぜ始めたのですか？。

「日本人が韓国で起きていることを、あまりにも知らないからです。日本政府やメディアの言葉だけを信じ、それを事実として受け入れます。それでは誤解を生み、韓日関係が悪化する原因になります。日本で報道される韓国に関するニュースが、実際の韓国ではどう報道されているのか、比較をして伝えられたら良いと思いました」

>>つづく

ー 日本のメディアにどのような問題があると思いますか？。

「安倍政権になって嫌韓ニュースが非常に多くなったけど、特に2018年の大法院（最高裁）の強制徴用判決以降、想像以上に深刻になりました。私は強制徴用問題をあまり勉強していませんが、日本の裁判所も、“韓国人の個人請求権は存在する” と判断したことは知ってます。安倍が話した “1965年の韓日請求権協定で全て解決済み” という主張は偽りです。
安倍政権よりも、メディアのほうが問題です。平凡な私でも知ってることを、長年取材してきた日本のメディアは報道しないのか、“首相の主張は日本の最高裁の判断と異なります” と質問し、主張する記者がなぜいないのか、理解できません。
その2018年の大法院の判決以降、日本の報道は “韓国人は嘘つき” 、“約束を守れない民族性” といった報道が相次ぎました。私が特に怒っているのは、森友学園スキャンダルなど、安倍首相の数多くの嘘を報道する勇気もない日本のメディアが、“韓国は嘘つき” と報道することです。私は日本の言論の自由度が下がっているのと嫌韓報道は、根底が同じだと思っています」

ー チャンネルの動画は頻繁に投稿しているのですか？。

「 “週間ニュース” なので毎週投稿しています。1時間撮影して、前半と後半の2部に分けて投稿しています」

ー チャンネルの登録者数は？。

「登録者数は1,890人程です。そんない多くありません。コメントをると、半数以上が韓国人のようです。日本人に韓国ニュースを伝えるために作ったチャンネルなので、日本人の登録者をより一層増やすために努力しようと思います」
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┃「極右日本人の悪質な書き込みは気にしない･･･視聴者たちの感謝のコメントにやりがい」

（写真）

▲ 『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース』が、今年4月20日に投稿した動画。日本の劣悪なコロナ対処の現実と、康京和（カン・ギョンファ）外交部長官のインタビューを盛り込んでいる。

>>つづく

ー 資料準備して直接出演もして編集もしようとすれば容易でないです。

「2分程度の韓国ニュース1本に日本語の字幕をつけて編集すれば、1～2時間程度かかります。そのような韓国ニュースの映像を5～6本程度作り、撮影は土曜日にしています。幸いにも、編集を手伝ってくれる在日韓国人がいて、非常に助かっています」

ー やはり、韓国の方が一緒に働いているんですね。

「はい。動画に一緒に出演している在日韓国人2世のキム・サンホンさんが、大いに役立っています。この方は、『在日ラジオ パケストK放送局（ http://bitly.kr/EZ2YTMdbfYE ）』というYouTubeチャンネルを運営していたのですが、 目的が同じなのでお互いに協力したほうがいいと思い、昨年末から一緒に放送しています。
撮影に使用している装備などは、彼が資材をはたいて新調したものです。スタジオも他の在日韓国人の方が提供しています。幸いにも、我々の放送を手伝いたいという韓国人の方が少なくありません。 韓国の放送を日本語に翻訳して送ってくれます」

ー しかし、費用が少なからず掛かっていると思いますが、YouTubeの収益が役立っているのでしょうか？。

「今はYouTubeの収益を考慮していません。著作権問題が起きた場合、“非営利目的で引用しました” という説明ができなければいけません。 おそらく我々が引用して韓国の放送局側が著作権を問題視すれば、全ての映像を消すことになるかも知れません。その時に備えています。私は1週間で4日間アルバイトをして生活してますが、YouTubeで収益を得てアルバイトの時間を削ることができたなら、もっと多くのニュースを伝えることができるだろう。しかし、それよりも著作権も問題が起きないことのほうが重要だと思います」

ー 今まで投稿した動画のうち、最も記憶に残るものがあれば紹介してください。そして、その理由も説明してください。

「4月20日に投稿した動画（ http://bitly.kr/zcDfBgS49za ）です。当時、日本では緊急事態宣言が下されていましたが、PCR検査を抑制して感染者数を隠蔽していた時期でした。PCR検査を受けることが非常に難しい日本の現実を報道したMBC-TVの映像と、康京和（カン・ギョンファ）外交部長官のフランスTVのインタビュー映像を送り出しました。
ところが、“検査をすれば医療崩壊を招く” という感じの報道一色だった日本の放送で、あろうことか、“韓国から学ぶべきだ” 、“頭を下げてでも韓国に助けを求めよう” 、“韓国のように軽症患者を探して隔離施設を作るべき” といった報道が出始めました。 確かではありませんが、我々の放送を見ている日本のジャーナリストもいるようだと思いました。

ー 視聴者の反応はどうですか？。

「韓国の視聴者の方々は、日本人がこのようなことしていると驚いたり、感謝しているという反応です。日本人が韓日関係を理解することに、非常に役に立っているという反応です。日本の放送はかなり政権に偏向されていて、信じられなかったけど良かったというコメントもあった。もちろん、極右志向の悪質な書き込みをする日本人も多いです。でも、想定内なので気にしていません」

ー チャンネルを運営していて、どんな時にやりがいを感じますか？。

「やはり韓国人でも日本人でも、視聴者の人々から感謝のコメントを受けた時です」

>>つづく

┃「裕福な家に生まれ、努力もせずにスペックのない人間が現在の日本の素顔」

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▲ YouTubeチャンネル、『日本のメディアが伝えない週刊韓国ニュース』が最近製作した動画。韓国の放送ニュースを字幕とともに投稿している。
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ー 「なぜ日本人がこのようなことをするんだ」という質問をされるようですが？。

「日本のためにも嫌韓は必要ありません。そして韓国は民主主義が発展したので、コロナに対しても対応することができた。すなわち、民主主義のレベルが日本と韓国のコロナ19の対応の違いを生んだ。そういう事実を伝えたい。政府が何もしなければ、韓国人のように国民が乗り出して要求して闘争すべきだが、日本人はとても従順的です。気が乗らないとしても、こういうことは韓国を見て学ぶべきだと思います」

ー 日本の放送は韓国を揶揄したり、非難をする内容が多い。そして、書店にも嫌韓コーナーがあります。このような現象がなぜ起きるのだと思いますか？。

「裕福な家に生まれ、努力もせずにスペックのない人間が現在の日本の素顔です。しかし、それを認める勇気がなく、“ウチは元々金持ちだ” と自慢します。そのような人が、最も嫌いな人はどんな人でしょうか？。貧しい家庭に生まれたけど、努力をしてスペックを築いた人です。それが韓国ですよ。 そのため、韓国がまだ後進国だと思いたいというのが嫌韓の心理です。そのような人に対しては、“あなたは本当に恥ずかしい” と言ってあげるのが良い姿勢です」

ー 災害対処の模範生だった日本が、コロナ19に対しては政府も自治体もメディアも、全くそのような姿を見せていません。なぜそうなったと思いますか？。

「私は嫌韓とも深い関連があると思います。今の日本で安倍の支持率は30%前後だが、それでも “安倍政権だけど、日本は韓国より勝っている」と思っている日本人は、確実に90%を越えています。
そのような状況を作ったのが安倍政権であり、その状況をさらに悪化させる者が安倍です。安倍政権の最も大きな罪は、能力と勇気のある人々を全て追い出したことです。ジャーナリストも大学教授も官僚も政治家も、正しい言葉を言える人々は全て追い出しました。代わりに能力がないが、顔色を伺うのが上手い人々は出世しました。そのせいで、日本はコロナ19の対応に失敗しました。国民が政治に関心がなく、民主主義も国も滅んぶ第1号の国になることを防ぎたいが、それが現実になる可能性が非常に高い」

ー 韓日関係が現在最悪で、強制徴用関連企業の資産を現金化すればさらに悪化すると言われています。これに対する解決策は何だと思いますか？。

「そのようになると韓日関係がさらに悪化しますが、韓国が安倍政権に譲歩する必要はありません。 私は国際社会からの信頼を得るための競争で、韓国が勝利することが最も良い解決策だと思います。 すでにコロナ19の対応をきっかけに、韓国と日本の国際的な影響力は逆転していると私は思います。
G7加入の可能性はまだ流動的ですが、コロナ19対応を考えると韓国を拒否する国は日本以外ありません。強制徴用問題も、日本の主張通りに国際司法裁判所（ICJ）に行くのも良いと思います。安倍政権は逆に困るはずです。日本国民に必要なことは、『第2の敗戦』であると思います。 民主主義を自ら捨てたため、先進国という評価も世界的な信頼も、オリンピックも全て失くしたとう、そのような衝撃が本当に必要だと思います」

>>つづく

┃「政治に関心がない日本人のために、韓国のような市民メディア作りたい」

ー 最後に、これからの目標は何ですか。

「コロナ禍の前は、市民の力で運営されている韓国の市民メディアを、日本でも作ることが目標でした。日本にもありますが弱いです。我々の活動が、日本の良心的なジャーナリストと連携できたらいいと思います。
しかし、コロナのせいで困難が生じました。そしてコロナ19をきっかけに、日本人が目覚めることを期待しましたが、残念ながら去る7月の東京都知事選挙で、極右志向の小池百合子さんが再選しました。選挙が終わった途端、東京の感染者が急増するのを見れば、選挙の期間中にコロナ検査をしていなかったり、感染者数を隠蔽していたということです。 政治家やメディアがそのようなことをする理由は、国民が政治に関心がないからです。
そのために日本国内で報道を続けているのですが、外国のメディアに日本のコロナ19の隠蔽、放射能の隠蔽などを伝える仕事を続けたいです。特に期待している国はもちろん韓国です。日本について最も関心がある国で、コロナをきっかけに国際的な影響力も高まったからです。日本の恥ずかしい現実を世界各国に伝えることが、最も日本国民を覚醒させる方法であると思います」

（おわり）