【感染症専門家】 「コロナ感染を制御するには、活動量の多い若者へのワクチン接種を高齢者と同時に進めなければいけない」

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が21日に沖縄を除く9都道府県で解除され、このうち7都道府県でまん延防止等重点措置に移行してから1週間。

まん延防止措置が適用されている首都圏の東京都や埼玉県、千葉県では新規陽性者数が増加に転じるなどリバウンド
（感染再拡大）の兆しがあり、措置解除が困難な状況だ。

感染力が強いとされるインド由来の変異株（デルタ株）の割合も増えており、
専門家は感染の「第5波」到来を懸念する。

東京では感染力が強いデルタ株への置き換わりが進んでいる。都のモニタリング会議で提出された資料によると、
14～20日の1週間で確認された陽性者のうち、デルタ株は推計で8・2％となり、前週の3・2％から5ポイント増えた。

厚労省の専門家会議で公表された推計によると、デルタ株の実効再生産数
（1人の感染者が平均何人に感染させるかを表す値）は従来のウイルスの1・95倍に上るという。

感染症学が専門の吉田耕一郎近畿大教授は、現在の東京の状況が「第4波」前の大阪の状況と似ているとみる。
大阪では変異株の出現や感染者数の下げ止まりが確認される中で、3月に緊急事態宣言を解除。4月には連日1000人台の陽性者が出た。

吉田教授は「リバウンドの『兆候』と言っている場合ではない。
早めに人の動きを止める手立てを講じなければ、感染の第5波がやって来る」と危惧する。

感染に歯止めをかけると期待されるのがワクチンだ。

内閣官房の公表データによると、1回目のワクチンの接種率は26日時点で65歳以上の高齢者が55％。
一方、全年代では16％にとどまり、ワクチンを忌避する若者もいる。

吉田教授は「感染を制御するには、活動量の多い若者への接種を高齢者と同時に進めなければいけない。
高齢者のみではワクチンの効果も限定的になるかもしれず、楽観はできない」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20210627/k00/00m/040/129000c

高齢者がみんなワクチン打てば、重症化する人は激減する
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