県議の「売国奴」ヤジは危うい「徴候」　江川紹子さんがつぶやく理由

香川県議会で今月15日、政府が宣言した「敵基地攻撃能力（反撃能力）」の保有に反対する意見書の発議案を説明した立憲会派の県議に対し、自民会派の石川豊県議（81）が「売国奴」とヤジを飛ばした。朝日新聞がこの事実を報じたところ、ジャーナリストの江川紹子さんが自身のツイッターアカウントから「危うい徴候」とツイートした。江川さんにオンラインで思いを聞いた。

　――江川さんのツイートは1300以上リツイートされ、今も拡散しています。発信した理由は何ですか。

　率直に嫌な感じがしました。（敵基地攻撃能力の保有を明記する）安保3文書改定についてはいろんな議論があってしかるべきだし、議論しないといけないと思います。政府が言ったからじゃあこれをやりますということではなくて、国民全体に影響があることですから、国会のみならず、地方議会でもいろんな機会に様々な意見を述べ合うことが大事です。それが民主主義の基本だと考えます。

えがわ・しょうこ　
1958年生まれ。神奈川新聞記者を経てフリージャーナリスト。新宗教、災害、冤罪（えんざい）などの問題に取り組む。

　今回の発言は、政府の言うこと、あるいは自分の考える国防のあり方以外は認めない、それ以外は「売国奴」という趣旨だと思います。国を売るやつだ、と。「国にいるな」と言うことと等しく、存在否定のようなものです。民主主義の場で使われるような言葉ではありません。

　――議場でそんな発言が出たのは驚きでしたか。

　驚きではなかったです。20…(以下有料版で，残り1363文字)

朝日新聞　2022年12月24日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQDP5FGYQDMPTLC001.html?iref=comtop_7_04