【メルケル独首相】「人種主義は毒薬、憎しみも毒薬。この毒薬は私たちの社会のなかにある」９人死亡独銃撃で

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「人種主義、憎しみは毒薬」　独銃撃でメルケル首相
2020年2月20日 21:28

【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は20日、西部の都市ハーナウで少なくとも9人が殺害された銃撃事件を受けて「極めて悲劇的な日になった」と語った。最終的な判断はまだ早いとしながらも「極右や人種主義的な動機で犯行に及んだと多くのことが指し示している」と指摘。事件の背景に「異なる出自、信仰、外見への憎しみ」があると認めた。

「人種主義は毒薬、憎しみも毒薬。この毒薬は私たちの社会のなかにある」。メルケル首相は記者団を前に、ドイツで広がる人種主義への強い懸念を表明した。

ドイツでは2019年にハーナウと同じヘッセン州にあるカッセルで移民を擁護する立場だった地方政治家がネオナチとの関係が疑われる男に殺害されたばかりだ。19年10月には東部ハレでシナゴーグ（ユダヤ教会堂）が襲撃され、周辺で2人が死亡する事件も発生していた。

ナチスの歴史を繰り返さないと誓ったはずのドイツで人種主義を背景とする事件が相次いでいることは、社会全体に大きな衝撃を与えている。シュタインマイヤー大統領は声明で「私は人種主義的な憎しみに脅かされているすべての人々の側に立つ。あなた方はひとりではない」と表明した。

ドイツでは極右政党のドイツのための選択肢（AfD）が国政で第3党となるなど勢いを増している。15年の難民危機以降、ドイツ社会に不寛容が広がり、これまでタブーだった人種主義的な発言がタブーでないかのように飛び交いつつある。

ドイツ人も移民もあんたらの政策の犠牲になったんだよ