【北海道】新型コロナ、全国最多なぜ　複合要因で感染拡大　緊急事態続く北海道〔深層探訪〕

新型コロナウイルスの感染者が全国最多（5日現在83人）の北海道。
感染拡大のスピードに衰えは見られず、鈴木直道知事は5日、先週に続き、週末の外出自粛を要請した。
背景を探ると、北海道特有のさまざまな要因が重なり、感染が広がった状況が浮かび上がってきた。

　◇札幌から拡散？　

道観光局によると、2018年度に北海道を訪れた外国人観光客は約311万人。
2割強の約70万人が中国からの観光客で、うち約30万人が1～3月に集中していた。
今年も2月上旬の「さっぽろ雪まつり」前後に多くの中国人が訪れた。道内初の感染者は、感染源の中国武漢市から来た女性だった。

なぜ面積が広い道内全域に広がったのか。
鈴木知事は2月28日の道対策本部で「緊急事態」を宣言した際、「（札幌など）大きな都市に各地域から人が集まり、また地域に分散するといった北海道の都市構造上の問題」を挙げた。

道内の感染者は道北の旭川市や道南の函館市など、各地に点在しているのが特徴。
道東の北見市では、2月に開かれた生活関連商品の展示会を訪れた11人（4日現在）が感染しており、小規模な感染集団「クラスター」が形成された可能性が高い。

◇高気密空間

寒冷地ならではの「空間」も、感染を広げた一因とみられる。感染リスクは、屋内の閉鎖空間の方が高いためだ。

札幌医科大学の横田伸一教授（微生物学）は「飛沫（ひまつ）感染は密閉された空間で起こる。北海道は気密性の高い二重窓などの住宅・建物が多く、換気もあまりしない」と指摘する。

気温が低い北海道の冬はどうしても屋内で過ごす時間が長くなりがちだ。
暖房使用で室内は乾燥し、ウイルスがまん延しやすい。
さっぽろ雪まつりでも、雪像が並ぶ会場より、屋内会場やホテルのレストランなどで感染が広がったとみられている。

　◇「検査充実ゆえに」

一方、連日の感染者増に、道庁内からは恨み節にも似た声が漏れる。

人口520万人の北海道の検査人数は延べ714人で、感染者の割合は11．6％と突出する。
人口が倍以上の東京都の検査人数は907人で陽性患者は44人（4日現在）。割合は4・9％にとどまる。
人口880万人の大阪府は延べ570人の検査人数のうち、陽性は3％の17人（4日現在）だけだった。

道対策チームの関係者は「症状が出ていなくても感染者の濃厚接触者であれば検査は必要。
手前みそだが真面目にやっている分だけ数が多く出ているのでは」と納得がいかない様子。横田教授は「北海道は早い段階で市中感染が疑われる事例が出た。
検査態勢が整って医療機関の意識が高まり、（感染が疑われる人の）拾い上げがうまくできている」と見る。

とはいえ目下、感染拡大の勢いが収まる見通しは立っていない。北海道の「緊急事態」は当分続くことになりそうだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200307-00000032-jij-soci
3/7(土) 8:31配信

https://www.youtube.com/watch?v=hsSAnsrQvLk
01 北の国から　遥かなる大地より～螢のテーマ