米人類学者「アメリカは無知と反知性のカルトでアジアのライバルたちに敗北するだろう」

https://thediplomat.com/2014/06/asias-cult-of-intelligence/

アジアの知性崇拝
" 無知と反知性のカルト "で、米国はアジアのライバルに遅れをとる危険性がある。

私は25年以上にわたって東アジア（および世界の多くの地域）を旅してきたが、その間にいつも驚かされるのは、日本のような国の一般市民がいかに知的であるかに見えることである。東アジアにバカがいないわけではありませんが、平均的な教育水準と、世界について知的かつ批判的に考える能力が、驚くほど広く行き渡っているように見えます。なぜ、アメリカでは同じことを言うのが難しいのでしょうか。その答えは、SF作家のアイザック・アシモフが1980年代にインタビューに答えて、アメリカについて述べた言葉にあると思う。「アメリカには無知というカルトがある。反知性主義の流れは、政治的、文化的に一貫しており、民主主義とは、私の無知もあなたの知識と同じように優れているという誤った考えによって育まれてきたのだ"。

アシモフの言う通り、この「無知のカルト」こそが、今日の米国が直面する最も深刻な国家安全保障の問題である。テロリストによる外的脅威や、政治的・経済的に強力な中国の台頭よりも重要である。そして、この問題がアメリカ人にとって解決すべき重要な問題である理由の大部分は、我々の直接の競争相手、特にアジアの競争相手が、無知のカルトではなく、知性のカルト（知性崇拝）が世界に対する態度、ひいては他国との取引に関する政策を形成する上で大きな役割を果たすような文化を作り出すことに成功したからである。

多くのアメリカ人は、国際的な学生評価テストのような指標で、他の先進国と比較した場合、米国が良いスコアを出していないことを認識しています。例えば、2011年のTMISS（Trends in International Mathematics and Science Study）では、数学の上位5カ国はシンガポール、韓国、香港、台湾、日本で、米国は上位10カ国には入っていない。しかし、8年生になると、同じ国が上位5位に入り（順位は変わるが）、米国は9位となる。科学の成績もほぼ同じパターンである。しかし、別のテスト機関であるProgramme for International Student Assessmentでは、米国は数学で36位、科学で28位、読解で24位と、それほど良い成績ではない。フィンランドが5位にランクインしている理科を除いて、この指標で上位5カ国はすべて東アジアの国々である。

残念ながら、米国の教育制度の問題は、資金の配分やカリキュラムの弱さよりもはるかに深い。これらはいずれも、アシモフが観察する文化的問題の副産物ではあるのだが。その問題とは、アメリカ社会に長年存在し、近年、ティーパーティーや宗教右派のようなグループのプロパガンダや布教活動を通じてますます顕著になり、強力になっている無知と反知性主義のカルトにあるのである。

東アジアの国々が米国にとって政治的、経済的に大きな挑戦となっている根本的な理由は、人口が多いからでもなく、大きな軍隊を持っているからでもなく、環境破壊などの問題を気にせず経済力や政治力を高めようとする（中国）ように見えるからでもない。問題は、これらの国々が無知と反知性主義のカルトというよりも、知性と教育のカルトに近い中核的な文化的価値観を持っていることである。例えば、日本では、教師は高い評価を得ており、通常、地域社会の最も重要なメンバーの一人と見なされている。教師という職業は日本社会で中心的な価値を持つものであり、その職業を選んだ人は、給与、年金、そしてその知識と子供たちのための努力に対する敬意という点で、十分な報酬を得ているのである。

アメリカ人は、このまま「無知のカルト」が続けば、知性や学識を高く評価する国々と政治的・経済的に競争することがますます困難になることを認識する必要がある。米国でこれほど問題になっているのは、無知崇拝の産物であり、したがって国際的な同業者と競争する能力を持たない選出議員の数が増えていることである。なぜこれが国家安全保障の問題なのだろうか。なぜなら、国民とその指導者は、世界情勢を知的かつ洗練された方法で分析し、知的で有能な代表者を選出するために必要な知識と知的技能を備えている必要があるからです。問題は、実は教育制度にあるのではなく、教育文化にあるのだ。アメリカ人は、1816年1月6日にチャールズ・ヤンシーに宛てたトーマス・ジェファーソンの言葉を思い出す必要がある。「もしある国が文明の状態で、無知で自由であることを期待するなら、それは過去にも未来にもないものを期待することになる。」

ホルホルいいすか？